飲食店経営のメモ

飲食店で起こることをメモ書き

小さなお店では応援の意味でも、ちょっとだけ贅沢してほしいという話

小さな個人店では、座席数も少なく、チェーン店にはない雰囲気や、お店独自の楽しみ方があったりして、なかなか楽しめるところがあると思います。

大手や大型店舗だと、座席数にも余裕があったりして、そうでもないかもしれないのですが薄利多売傾向にあると思います。

一方、小さな個人店では、回転率のよい業態でなければ、ゆっくりできることがウリだったりすることが多く、総じて販売される商品単価は高くせざるを得なくなる傾向があると思います。

そうでないと経営が成り立たないということは、普通に生活していると解らないかもしれないのですが、売り上げが客単価かける客数ということを考えれば、回転率が良ければ客単価が安くても売り上げが確保でき、平均滞在率が3時間を超えるようなお店であれば、ある程度は客単価が高くないと売り上げが確保できないことは容易に解ります。

ただ、普通に生活しているとそこまで考えないんですよね。

小さなお店では応援の意味でも、ちょっとだけ贅沢してほしい

たとえば、ランチでドリンクを注文するとき、大手のファミレスだとフリードリンクで飲み放題だったりしますが、あれはお客様がセルフで行うため人件費が必要でなく、かつ座席数があり、ある程度それでも利益が確保できるからです。

小さなお店で、サービスでランチ営業しているようなところであれば、ある程度ドリンクの値段を抑えることができるかもしれませんが、儲けを出すことは難しいでしょう。

「あのお店、ゆっくりできて好きだったんだけど、つぶれちゃったね」ってよくありませんか?

ゆっくりできるということは、ある程度、回転せずに、ゆっくり滞在できる形態だったりすると思うのですが、そのお店でドリンクを2杯以上注文するお客様が、いったいどれくらいいたでしょうか。

僕のお店では、ランチタイムのドリンクの平均注文数は1.1杯程度、2杯以上頼むお客様はほとんどいません。

それは、お客様が頼みたくなるようなドリンクメニューを用意しない店側の責任だというのは違うと思います。実際、僕の店には選ぶのが楽しくなるくらいの数十種類のドリンクがありますが、みなさん食後の1杯のみ、食事中の1杯のみのお客様が9割です。

僕のお店はワンドリンク、ワンオーダー制です。何か一つはドリンクのご注文をお願いしております。なので、食後にドリンクを注文されるお客様は食事中にお水を注文されます。食事中にドリンクを注文されたお客様は、食後にはお水を注文されます。多い方だと、お水のお代わりを何度もされます。普通といえば普通ですが。

あるとき、ドリンクの注文数を増やすために、実験的に、お水の注文には10%のサービス料を取ることにしたのですが、ドリンクの注文は増えませんでした。お水を注文されるお客様も2か月で1人しかいませんでした。お客様の満足度は、総じて低く、かなり失敗の実験になりました。

どうやらランチに2杯のドリンクを注文するのは、贅沢なことのようです。そして、お水にお金を支払うことは、高級店でもない限りは断じて受け入れてもらえないようです。

僕は思うのですが、つぶれてほしくない、これからも頑張ってほしいというお店に行ったときは、ご飯を食べてすぐに帰るとき以外はドリンク2杯くらいは注文しても、たまのプチ贅沢ということで良いのではないかなと思います。やはり3時間もいたら、のども乾くでしょうから。

その小さなお店も、儲けてやろうというのではなく、お店を存続させるために必死で運営されていると思うからです。

もちろん、その小さなお店のオーナーが、高級車に乗っていたり、遊びまわっていれば話は別ですがw

働き方改革、ゴールデンウイークの10連休、そういった話がテレビで流れますが、小さなお店の店主は年中無休で朝から晩まで働いてます。ゴールデンウイークも一生懸命、がむしゃらに働いてます。もちろん、たまには休みますが、月に1日や2日しか休まないときもあります。そんなお店を気に入ったら、応援してあげてください、応援してください。